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寝る前に頭のなかでなんども作業を見直し、翌朝それを実践する。 頭で思い描いたものを手で行なう。 ほとんどはイメージ通りにはいかず理想と現実の格差に苛まれ思い通りにことが運ぶと思った自分の浅はかに気づくのが常だったが、失敗を積み重ね理想と現実を埋めることで、理屈として腹におさめていく作業は地道な作業を好む美作にとって存外向いていたのかもしれない。 陶芸を始めて三年が経ったころ美作の想いは半分遂げられることになった。 自らの作品を某展覧会に出展したところ美作の作品は新人賞を受賞することになったのである。
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