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レイドはその線が細い割りにしっかりと鍛えられた身体を落胆させ、ため息をつかずにはいられなかった。
本来ならここいらは見渡す限りの雪原でこの時期は太陽光が反射してまるで宝石がちりばめられたような壮観な景色が見えるのだ。
それが今や黒や茶色やら緑やらと地面に敷き詰められた白を汚すような色ばかりが見える。
それらがうねうねと動いているのだから始末に終えない。
17歳になったばかりの少年の心を残している者にとってそれは大切な物を土足で踏みつけられている気分だった。
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