腐女子 時々 魔王さま

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「凄い、みんなコスプレだ、デジカメ持ってくるんだった」 「デジカ…?お前はこっちだ、入れ」 街でもそうだったけれど、すれ違う人すれ違う人皆、中世ヨーロッパのような服装なのだ。 男性は大体地味な色合いだけれど、女性達が地面につきそうな程長いスカートをひらつかせて、黄色やピンクなど華やかな姿で直ぐ横をすり抜けていった。 それに比べて私はパジャマ姿に裸足、そしてなんとも埃臭い部屋に入れられ、生まれたてのカモシカのような椅子に座らされた。 腐ってやがる、早すぎたんだ! 「取り調べでもすんの?カツ丼!カツ丼!」 「場の空気を読め」 だって、部屋のドアの前には兵士が2人、前にはヘーカ、切れそうな電球…じゃなくてランプに照らされれば、よくある刑事ドラマの匂いがプンプンしてくる。
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