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箕面ドライブウエー。 浄水場交差点から勝尾寺までを結ぶドライブスポット。 春には桜の花びらが舞い、夏には緑林を抜けてくる風の匂い、秋には枯れ葉が木々や路肩を紅く染め、冬には紛れも無い白色の雪が積もり銀世界が広がる四季を楽しめる道である。 だが、それは昼間の話し。 夜になれば、色鮮やかな改造車が駐車場を飾り走り屋達のたまり場と化し、何の変哲もないコーナーは白煙を巻き上げて滑っていくドリフトの審査コーナーへと変貌する。 この日も箕面の滝近くの大日駐車場は色鮮やかな改造車と走り屋達が占めていた。 その駐車場に入って来る哲雄のキャリィと風太郎のカプチーノ。 二台並んで停まり、エンジン音が止み、二人がドアを開けて外に出て来る。 「おお、今日も満員やな」 「見ろ!人がまるで」 「グラサン大佐のマネすんな!ムカつく」 「何だよ。お前もアンチ宮崎派か?ストーリーは確かに」 「何で山まで来て、お前のアニメ話しに付き合わなあかんねん!」 自然と始まる二人の漫才のような話し。 「ちゅうか本原とか仲嶋とか古河君は?」 「一応、連絡したけど本原と古河君は大学のレポート提出が迫ってて、仲嶋は朝一会議あるから来られへんて」 「しゃーないな…二人でパラレルでもしよか?」 そう言って二人が愛車に乗り込もうとした時、駐車場に一台のクルマが入って来る。 元々はデートカーとして設計され、デートカーとしての役目を終えると、ドリフトマシンの代名詞と化した人気車種。 日産 シルビア その最終モデル S15だった。 D1GPで佐久間達也が操るS15と同じGPスポーツのフルエアロを組み、一通りチューニングされたエンジンの音が駐車場に居た走り屋達を振り向かせた。 空いてるスペースに停まり、ドアが開き、中からドライバーが現れた。 何と、ドライバーはロングヘアーの女性。 それも、かなりの美人だった。 当然、振り向いた走り屋達は驚きを隠せない。 華奢な体つきだが出るとこは出てるナイスバディの女性がS15のドライバーとは思わなかったからだ。 女性はS15から降りると、まるで誰かを探すかのように駐車場をうろつき始めた。 そして、哲雄と風太郎に近づき、クルマを確認すると、顔が険しくなった。
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