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彼女と初めて逢った時、純粋に綺麗な人だと思った。
あれは僕の入学式。
先生に名前を呼ばれて、生徒会長の彼女は壇上に上がったんだ。
「生徒会長、式辞。
2年A組、藤咲 香」
『は、はい…』
あれ?なんか弱々しい…
『………』
しばらく、マイクに向かって黙り込む彼女。
別の先生が彼女に何か言いに行く。
すると彼女は泣き出して
『あ た し に 生 徒 会 長 は 無 理 !』
と、マイクに電源が入ったままなのに叫んだ。
戸惑う僕ら新入生、笑いを堪える在校生。
先生達は、彼女を「藤咲にしかできないんだ!他の奴じゃ駄目なんだよ!」と必死で励まして居た。
何 、こ の 学 校 。
県内でも結構いいレベルの進学校なはずで、ここの生徒会長になれるのは学年関係なく校内トップの成績保持者だけ。
まさか、彼女が?2年って言ってたしそうなのか?でも…
いや、外見で判断するのはよくない。
とりあえず綺麗だ。スタイルは…まぁ悪くないかな。
結局、彼女は泣いてるばっかりで話ができないので副会長が出て来て、彼女と一緒に式辞を述べた。
最後の方は落ち着いたらしく、副会長と共に笑顔で僕らに言いました。
『『この学校で、皆さんの人生を変えるような物を、何か1つ見付けてください。』』
この一言が、僕を変えたんだ。
彼女の笑顔とこの言葉。
きっとこれが恋ってやつなんだね。
先輩、僕、先輩が好きです。
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