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僕は現在、母に用事を頼まれていた。晩御飯の食材の買い出しである。
「まったく。面倒臭いといったらありゃしない。……まぁ、仕様がないか」
高校生にもなっておつかいなんて……と思うが、今回は事情がある。
僕の弟は現在、流行りの風邪で病床に伏す身であった。熱は大したことないのだが、青白い顔で苦しそうに咳を繰り返す姿を思い出すと、胸を締め付けられる思いだ。
そして母はその看病につきっきりであるため、僕がこうして代わりに買い物を行っているのだ。
「んー、仕方がない。黒猫。悪いけど、君の欲求は解消できそうにないよ。早く買い物を済ませてしまうから、それまで待ってほしい」
僕は手の平に残っていたにぼし(黒猫が残した頭部を含む)を食べ終わると、しゃがみ続けて疲れていた脚を伸ばし、一度伸びをする。
「んっく……。よし、行こう」
目的の店に向かう。足には黒猫がもふもふと纏わり付き続けた。
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