平凡

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  店内の中央辺りにあるエヴァのコーナーへ辿り着くと、意外にも多くの空き台があった。 春樹は迷う事なく足を踏み入れ、台上のデータカウンターを見つめながら通路を突き進む。 (据え置きより上げだな……) 三日間全て店側が黒字となっている一台に目星を付け、煙草を下皿に投げ入れる。 そして一通り全ての空き台をチェックしながらコーナーを通り過ぎ、店内の隅にある自動販売機でアイスコーヒーを購入した。 (ハズレならハズレでいい。素直な挙動を示してくれさえすれば……) 溜め息混じりに自らの台へ腰を降ろして、台間サンドに1万円札を投入する。 雑音の中、コインが下皿へ流れ落ちる……  
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