平凡

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  そして12時間後…… 春樹は頭上のドル箱を手に取り、下皿にある500枚程度のコインを静かに入れていた。 (素直な挙動を求めるのは間違いだな……) 小役カウント機を眺めながら溜め息を漏らす。 (通常時の小役確率は悪くないが、ボーナス中がさっぱりだ。あっても5か……) 設定5かもしれない台を閉店間際まで打ち切る程、春樹のモチベーションは高くない。 半分にも満たないドル箱を抱え、カウンター前へ向かう。 「交換ですか?」 会心の笑顔で若い女店員が尋ねてくると、春樹は小さく首を縦に振った。  
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