平凡

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  暫く話し込んでから電話を切った。 「なんだか楽しそうね。明日いい事でもあるの?」 愛菜は電話の内容を教えろとばかりに、大きな瞳を輝かせながら、春樹の顔を覗き込む。 「別に……」 付き合い始めて2年にもなるからか、素っ気ない態度であしらう。 「あっそ。そうゆう態度取る訳ね」 愛菜は自分の携帯をバッグから取り出し、どこかへ連絡し始めた。 「もしもし、急用が出来たのですみませんが明日休ませて下さい」 簡潔に内容を伝えて電話を切り、表情一つ変えずに食事を始めた。 春樹は箸を置き、不思議そうに愛菜の顔を見つめる。 「何よ! あたしの顔に何か付いてるの!」 幼く可愛い顔で春樹を睨んだ。  
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