開店

3/31
前へ
/52ページ
次へ
  シルバーのジッポーが金属音を響かせ火を灯す。 煙草が煙を上げたその時、愛菜が目を覚まして起き上がった。 「おはよ」 春樹の露骨に嫌そうな素振りに頬を膨らませた。 「絶対に付いて行くからね」 「…………」 春樹は無言のまま煙草を吸い終わると、いつも通りの段取りで身仕度を始めた。 愛菜も置いて行かれない様に、必死でそのペースに付いて行く。 「出来たっ!」 春樹が玄関で靴を履いている途中、息を切らせ走り寄って来た。  
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3023人が本棚に入れています
本棚に追加