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シルバーのジッポーが金属音を響かせ火を灯す。
煙草が煙を上げたその時、愛菜が目を覚まして起き上がった。
「おはよ」
春樹の露骨に嫌そうな素振りに頬を膨らませた。
「絶対に付いて行くからね」
「…………」
春樹は無言のまま煙草を吸い終わると、いつも通りの段取りで身仕度を始めた。
愛菜も置いて行かれない様に、必死でそのペースに付いて行く。
「出来たっ!」
春樹が玄関で靴を履いている途中、息を切らせ走り寄って来た。
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