開店

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  春樹は背伸びをやめると、今度は辺りを見回す。 (弘斗は来てないのか?) 腐れ縁といえど、そこは幼馴染みである。 一人で何も知らない機種を打つのは心許無い。 模索しながら試行回数を増やし、実践値でその台の善し悪しを決断しなければならない。 二人ならば一人の倍の情報を得る事が出来る。 春樹は期待していたが開店までの時間、その目に弘斗は映らなかった。 (まだ金を賭けて4号機が打てると決まった訳じゃない。俺は何を焦ってるんだよ) 春樹は先走る自分に堪え切れず、薄笑いを浮かべた。 「きもーい。ふんっ!」 列が動き始めると、愛菜はそっぽを向いたままで、その流れに付いて行く。  
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