3023人が本棚に入れています
本棚に追加
春樹は背伸びをやめると、今度は辺りを見回す。
(弘斗は来てないのか?)
腐れ縁といえど、そこは幼馴染みである。
一人で何も知らない機種を打つのは心許無い。
模索しながら試行回数を増やし、実践値でその台の善し悪しを決断しなければならない。
二人ならば一人の倍の情報を得る事が出来る。
春樹は期待していたが開店までの時間、その目に弘斗は映らなかった。
(まだ金を賭けて4号機が打てると決まった訳じゃない。俺は何を焦ってるんだよ)
春樹は先走る自分に堪え切れず、薄笑いを浮かべた。
「きもーい。ふんっ!」
列が動き始めると、愛菜はそっぽを向いたままで、その流れに付いて行く。
最初のコメントを投稿しよう!