開店

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  苦笑いを浮かべながら携帯で時間を確認する。 (もう少しだな) 液晶画面の時計は開店時間まで後5分を刻んでいた。 「間もなくオープンとなります。少々お待ち下さいませ」 店内アナウンスが流れると待ちくたびれた客達はざわつく。 店員は空き台整理の為、所狭しと走り回っている。 と、その時………… 耳を劈(つんざ)く程の轟音と共に店内が大きく揺れ始めた。 春樹は咄嗟に立ち上がり、愛菜を守る為に覆い被さる。 その揺れは激しく、棚に置かれているドル箱が背中を強打する。  
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