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「それが分かれば多少なりとも、この状況が把握出来るんだけどな……」
春樹はジッポーをポケットにしまいながら、視線を愛菜へ移す。
「大丈夫か?」
愛菜は下を向いたまま震えながら頷く。
と、その時……
突然にサイレンの様な音が、店内にけたたましく鳴り響いた。
「な、なんだ?」
弘斗は真っ先に立ち上がり、辺りを見回す。
地震から落ち着きをみせていた客達は一斉にざわつく。
そしてサイレンの音が数秒鳴った後、低くこもった声が店内のスピーカーから流れた。
「ミナサン カウンターヘ オアツマリクダサイ……」
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