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そしてすぐにスピーカーから声が発せられた。
「シズ……ニ……クダサイ」
はっきりとは聞き取れないが、何を言おうとしているのか三人には理解出来た。
千人の客達にも聞こえているのだろうが、どよめきが大きくなるばかりで、静かになる気配はない。
そして客達は、カウンターへ押し迫る様に動き始めた。
中には圧迫されて悲鳴を上げる者もいる。
「このまま流れに飲み込まれるのはまずい。少しカウンターから離れよう」
春樹は冷静に弘斗と愛菜の腕を引っ張り、その群から僅かに離れた。
刹那!
どよめきが最高潮に達すると同時に、数発の銃声が店内に谺した。
続けて絶叫と悲鳴が春樹達の耳に届く。
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