玲×京

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  side Kyo 見たくもないテレビを付けてアホみたいにじっとする 玲汰は僕が存在に気付いてからゆっくりと荒れた部屋を片付ける 僕の後ろで、ガタガタ それを特に気にすることはない いつもそうやから 理由も聞かんと決まったように片付ける まぁ色々大声で吐き出しながら物に当たっとるから理由なんて見当付いてんねやろ その頃から居んのやろ ボーっと突っ立っとる様が浮かぶ 片付けが終わったんか隣に座ってきた よいしょ、とかジジくさ 「飲みます??」 そう言って缶ビールを差し出してきた その表情を見る限り、さっきの惨事を思い出させる要素はない いつもいつも大掃除ご苦労様やな そんな事を忘れさせるような 「僕、飲まんし」 「俺もっす」 ならなんで持ってくんねん 呑んだって気持ち悪くなるだけだしなーって 本当やん 「京さん」 「なん」 「これ面白いすか」 「つまらん」 「ですよね」 「京さん」 「なんやねん」 「これ一缶一緒に飲みますか??」 「…ひとくち」 最近、僕の心に入って来るのが上手い気がする まずはノック お邪魔しますって ちょっと前までは辛そうな目で僕をただ見つめてるんがやっとだったくせにな こんな爆発させたって根っこの解決にならんのはわかってたって、閉じ込めて消化しようなんて 今更、 僕にどうして欲しいねん .
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