僕は見えます。

追われる者。

金曜日の放課後。
部室に集まった陸上部員達は、和也先輩に注目していた。

｢いいかお前ら!これはあくまで合宿だ。はしゃぎ過ぎたら容赦せんぞ!!｣

そのまま部室を出て、ぞろぞろと校門へ向かう。

｢ついにこの日が来ちゃった…｣
｢何だ?まだ幽霊がどうのとか言ってんのか?｣
｢だってぇ…｣
｢涙目で見んな。俺が泣かしたみたいだろ｣
｢意地悪。もう帰る!｣
｢サボるの禁止だろー｣

結局、蓮に引きずられながら、先輩達の後を追って目的地の海を目指した。