追われる者。

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「こんなとこじゃまともに走れないよね?」 「確かに、ここまで暑いとだるくて走れねーよな」 「暑いのはいいけど、人が多過ぎだよ」 「あぁ、そっちのこと?」 「………。本当は走りたくないんでしょ?」 「ははは、なんのことだ?」 いつもの事だから、一発コツンをして(本人は殴ったつもりだが)良しにした。 荷物を預け外に出る。 「あっちの松林のとこはどうだ?」 蓮の提案にすぐに賛成し、ジョギングを始めた。 しばらく走ると洋館が現れた。 その洋館は、よくあるお城のような見た目で、蔦や蔓が伸びていた。 割れた窓から誰かが覗いている気がして… 「ここは出るな。間違いなく出るぜ、幽霊」 バタリ 蓮が幽霊と言った瞬間、俊介は気絶した。
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