6人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁっ、はぁっ…」
「あのー、大丈夫ですかぁ?」
俊介はそれに答えず、その人を横目で見る。
見た目は全体的に細く、髪はぴっちりしている。
よれよれのスーツ姿で、おどおどとした雰囲気は、どこかの下っ端のサラリーマンだ。
ただし、身体は半透明で、足は地面から数センチ浮いていた。
息を整えると、幽霊に話しかけた。
「どうして僕を追いかけてきたんですか?」
「そんなの決まってるじゃないですかぁ!」
意味がわからず、俊介が黙っていると、再度質問してきた。
「あなたは"見える人"ですよね?」
質問で返されて一瞬きょとんとするが、とりあえず答えた。
「まあ、その、見えますけど…」
最初のコメントを投稿しよう!