第一章 ~目覚め~

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「モルモにアイリス、ね。 お前らは何でこんな場所にいるんだ?」 率直な物言いに戸惑うアイリスだったが、何も返してこないのを見るなり、 「……まあいいや。 取りあえず、この町に入れただけ幸運だってことだな」 言って、チェスターは踵を返した。 「俺は依頼を終えたから街に戻る。ついでに送ってってやるよ。ここら辺は難民には危ないからな。 ……こっちだ」 付いてこい、ということらしかった。 カノンノが苦笑しつつ、手招きをする。 アイリスとモルモは、手招きをされるがままについていった。 「アイリリーに着いたらどうするのかな…?」 ずっと感じていたアイリスの疑問は、口に出せば上手くモルモに伝わってくれて、共感しているかのように彼は小難しい顔をした。 「うーん…どうしよっか。何処かに行くにしても…何処に行ったら良いかわからないし…」 「行き場がないの?」 ハッと顔を上げたアイリスは、カノンノの視線が此方に向いていることに気がついた。 「だったら、私に良い案があるわ」 私も同じだったのよ、と後に付け足したその言葉は、とても小さかった。
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