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《草川探偵事務所》
所変わって、ここは草川探偵事務所…
菜月「はい!勇!紅茶入れたよ!」
草川「あぁ…ありがとう…」
草川はマグカップを受け取ると、紅茶をすすった。
草川「はぁ…菜月の入れてくれる紅茶は格別だ…」
菜月「ありがと…でも、その紅茶…実はとっても高級な紅茶なの…」
草川「高級?…確かに言われてみれば、いつもと香りが違うな…」
草川はマグカップを見つめながら、呟いた。
草川「…でも、どうしてそんな高級な紅茶を買ったんだ?」
菜月「ほら!この前、変な依頼受けたじゃない!」
草川「あぁ、あの"灰色の石を集めてくれ"というやつか…」
菜月「あの依頼人、依頼料倍近く多めに払って行ったでしょ?…だから、それでちょっと奮発しちゃったの!」
草川「そうか、なるほどな…だが、次からは安い紅茶でいいぞ…菜月が入れてくれる紅茶が…私にとっては"高級"なんだからな…」
菜月「ありがとう…」
草川の言葉に、菜月は嬉しそうに微笑んだ。
ドンッ、ドンッ!!
「失礼します!!」
その時、力強いノックの音と、大きな声が聞こえた。
草川「…元気のいい依頼人だな…」
菜月「どうぞ、お入りくださ~い!」
ガチャッ!!
テンスター
「た、大変ですよッ!草川さん!!」
草川・菜月
「テ…テンスターッ!?」
なんと、草川探偵事務所に勢い良く入ってきたのはテンスターだった。
菜月「久しぶりね~…テンスター…」
草川「私も久々の再会を喜びたいところだが…お前がさっき言った"大変"というのは…一体何が大変なんだ?」
テンスター
「テレビ…テレビをつけてください!!」
菜月「テレビね…リモコン、リモコン…あったあった…」
ピッ…!
菜月がテレビをつけると、画面には衝撃的な映像が映し出された。
菜月「これは…?!」
草川「異星人…!!」
画面に映っていたのは、1体の異星人…さらに、画面の右上には…
『異星人再来!狙いは"この世の終末"』
…というテロップが出されている。
草川「どうやら…テレビ局を脅して映像を流させているんでしょう…」
菜月「…まだいたのね…邪悪な異星人…」
菜月はそう言って、哀しい表情を浮かべた。
草川「……」
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