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「……だから?」
「じゃあ聞くけど、さっき言ってた
『カッコいいような普通のようなダーリン』って、どういう意味よ。」
そりゃあ、
「平凡受け…」
「ほらきた!」
「だからなんなのっ」
理恵はまだわかんないの?と口を尖らせた。
「沙絵子のは恋愛対象じゃなくて、萌えの対象で考えてるでしょ?」
「そんなことないもんっ」
「いいや、絶対違うね。」
「だって、私にだって好みくらいあるし、彼氏とかいたときもあるもん」
「へー。
でも結局、BLに愛情注ぎ過ぎて1ヶ月で振ったのは、何処の何方さんだったかしらね。」
「うっ…」
そうなのだ。
私は高校二年生の頃、ちょっとの期間だけ付き合っていた彼がいた。
理恵と同じく小学校からの幼なじみで、あっちから告白されて、「付き合ううちに好きになるかな」と悠長に考えていたら、同時にBLへの愛の波が一気に燃え上がって自分の恋愛どころではなくなってしまったのだった。
相手は私が腐女子だってこと重々承知の上のお付き合いだったんだけど、今思えば後味の悪い別れ方をしちゃったと、少し後悔している。
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