22人が本棚に入れています
本棚に追加
兄が大学に行って父が出て行った約二年後。
次は私の進学だった。
私は物語を作る立場になりたかったし、ゲームなどのプログラムも覚えてみたかった。
だから、高校二年になって直ぐに専門に行きたいと言っていて、母も許してくれていた。
行きたい学校は何度か体験入学した東京にある学校で、願書を出そうと貰ってきて書いていた
が、兄の時のことがあり内心疑っていた。
「本当に、行っていいの?」
「大丈夫だよ、行って」
そんな会話をしながら願書を出せずに居たら、高校三年の12月にこんなこと言い出した。
「ねぇ、佳奈。
近所の学校に変えない?」
「え?なんで?」
「佳奈の行きたい学校は高いでしょ?ちょっと難しいの…」
あぁ…やっぱり
なんて思った。
高いのは知ってたから、余計出せなかったんだけど…じゃあなんで今更?
「ならもっと早く言ってよ!!どうして今まで言わなかったの!?
お兄ちゃんは行けたのに…!!」
この頃の私は流石に母が繰り返さないと信じていたし、借金までしていたのを知らなかったから困惑していた。
「本当にあるの!?」
「うん…」
どうにも嘘くさかった。
結局一週間後に、進学そのものを諦めさせられた。
1/28。
私は就職に進路を変えた。
みんなが進路も決めて休みになるなか…私だけ1から進路を決めなければ行けなくなった。
それはなんだか凄い惨めで…
もっと早く言って欲しかったと思った。
「よく、ぐれないね」
そう言われたのはその頃だった。
基本的にいぢられ役のお馬鹿みたいな性格で、三年間クラス替えがない学科だったのもあるけど…全員と話したり出来た数少ないひとりだった。
そこは母の行動のあとも、変わらない。
髪も染めないし、タバコもお酒も、ピアスあけたりとかもしなかった。
そうすれば、悲しむのは知ってたから、遅くても8時前には家に帰っていた。
母がどう変わっても…家族がどう変わっても、私は家族が好きだったから、我慢していた。
最初のコメントを投稿しよう!