全ての始まり

3/12
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
時計の時間は八時をまわっていた。完全に遅刻だ。少年は慌ててパジャマを着替えて、家を出る。いつもの声で。 「行ってきまーす!」 少年の名前は小野 一。まだ小学五年生のサッカー小僧だ。まだこの時の彼はだが… 彼は走りに自信があった。今日も学校へ全力疾走した。信号を無理し、自転車をすり抜けるようによけて、学校へ到着した。無論、遅刻であった。 彼はすでに職員室へ呼ばれるのは三回目なので慣れていた。話を聞き流すように仁王立ちして、長い話が終わるとすぐに逃げ去り、いつもの五ーAに戻っていった。 彼が教室に入ると、彼はすぐに異変に気付いた。立ち尽くす彼に、クラスの少年が声をかける。 「どうしたんだよ、イチ?」 彼は小さな声で訊いてみた。 「あの女の子は誰なんだ?」
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!