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男も彼を追おうとした。しかし、それを小さな黒い生物が制止した。そして男に語りかけた。
「まだその時じゃないのかもしれない。それにその時だとしたら自分で見つけるはずだよ。」
男はその言葉を理解し応答した。
「そうだな。我々はその時を、開放の時を待とう。」
彼はただ走り続けていた。元来た道を戻り、家へと向かっていた。彼は一人ぼやいていた。
「アイツ誰だよ?ビーサイドってなんだよ?それであの変な生き物は何だよ?まるで天使と悪魔みたいだったじゃないか。そんなの本とかでしか見たことないし、大体いるわけ…」
「いるよ。」
「えっ!?」
突然横から女の子が現れた。それは、彼がずっと探していた神村志織本人だった。志織への彼の第一声は謝罪だった。
「追っかけたりしてごめん!それで転校生でいたのに全然知らないでごめん!」
その謝罪に対する志織の答えは、鮮やかな微笑だった。
「こっちが誘うように動いたんだからいいの。それに転校生じゃないしね。」
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