1話 アイドル出撃

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通常のものより紺色がかった機体色のジンだ。 装甲を強化し、火力増強の追加型ミサイルポッドなどを搭載したカスタム機。 「もしかして、ウゲツ!?」 昔からの友であり、美希を最初に紹介もした友人…ウゲツが、その戦場にいた。 「シュウか!相手の数が多すぎて少し苦戦している。援護頼む!」 男っぽい声が通信機から返ってくる。だが、その声には緊張感がある。 どうやら本当に助けてあげたほうがよさそうだ。 シュウは機体を駆り、見る間に一機のメビウスに接近する。 漆黒の機体が漆黒の刀を抜き放ち、居合いの如く一閃。 黒い機体を照らすように、爆発の花火が起こった。 爆散したメビウスに、手に保持した巨大な筒を向ける。その筒の中に、メビウスの残骸が吸収される。 シュウ専用の機体に装備されたこの特殊武器は、ロックキャノンと呼ばれる。 敵機の残骸、宇宙空間に漂うデブリ、コンクリートの瓦礫など、ありとあらゆる「ガラクタ」吸収し、それを… 「ロックキャノン、システム良好。シュート!」 勢いよく発射する。吸収した物体は内部で弾丸に形成され、殺生能力を高めた形で使用される。 弾丸を使わず、あるものだけで代用する…環境にやさしいエコ兵器だ。
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