40人が本棚に入れています
本棚に追加
「おとなしく沈め・・・!」
ほぼ同時だった。
ズバン、と核メビウスが2枚おろしになり、爆発する。
だが、ほぼ同じくして核弾頭は発射されてしまった。
「…!!まずい…!」
いけない。このままでは核が。
ウゲツは突撃機銃を構え、核弾頭を撃ち落そうとした。
発砲。弾丸は真っ直ぐ核に向かって飛んでいく。これなら直撃は免れる・・・・はずだった。
だが、それは叶わなかった。メビウスが弾丸の軌道上に割り込み、被弾したのだ。
飛んで行く核弾頭の盾になるかのごとく。
「何ッ・・・・!」
だが、もう遅い。賽は投げられ、止めるための手も阻まれた。
あの弾頭の先には、彼の友がいた。
黒い髪の、女の子みたいな男の子。プロデューサーかなにかいう仕事をしてたんだっけ。
「これがぼくの担当のアイドルなんだ!かわいいよねっ!」
かつて交わした会話がよみがえる。あの笑顔には消えてほしくなかったのに…
思いもむなしく、ウゲツは友を焼くはずの火種を、黙って見ていることしかできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!