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僕って実は頭おかしいんじゃないかなと一瞬考えたけど橋から落ちたせいにして事無きを得た。
まああの時、吊橋から落ちている時。確かに僕は死を覚悟した。生への執着を諦めた。
でも。
なんでだろう、日常の中で特別“死にたい”だなんて思ったことないのに。
いざ死んでしまう場面になって、なんで僕はあんな簡単に諦めたんだ。
しかもその時の後悔の念が団子って。……団子って!
何事にも無気力なことでは他の追随を許さない僕だが、これほどとは……。
しかし今考えてみれば、両親が死んでから五年間、大して楽しいと思えることがなかった。ほとんど笑ってもいない。おもしろいと感じることもなかった。
無気力以前の問題だ。
つまり僕は五年間、何の幸せも感じずにただただ惰性に生きてきたのか。
……なんて青春の無駄。
結局、僕は“死にたい”とまでは行かないものの、心の底では“いつ死んでも構わない”と生きることに飽き飽きしていたのだ。
古びた吊橋を躊躇いもなく渡ろうとしたのも、好奇心からではなく、無意識下の自殺願望だったのかも。
あっやば、テンション下がってきた。
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