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そしてさらに十日後。
僕はなんとか歩けるぐらいにまで回復した。
すごくない?普通死ぬような高さから落ちたのに、たった二週間で歩けるようになるとかすごくない?
あ、僕じゃなくて月花ちゃんがね。
月花ちゃんの献身的な治療と介護がなかったら今頃僕は三途の川です。
そんな命の恩人から今日はこんな提案が。
「そろそろ君も自由に動けるようになったろう?だから今日はこの家を案内したいのだが……いいか?」
いいもなにも、こちらに断る理由なんてない。
もちろん、と答えて僕はゆっくりと立ち上がった。まだ重心が安定しないけどふらつきはしないから大丈夫だろう。
「それはよかった!じゃあ行こう!すぐ行こう!」
おぉう!?月花ちゃんが急に元気に!
「ちょ、待って月花ちゃん……僕まだ走れないからそんなに急がれても……」
「別に走る必要はないぞ?とにかく部屋から出ようじゃないか」
急かす月花ちゃんの顔は、なんかもう暗闇さえ照らしてしまいそうな笑顔で。
その笑顔を見て僕は気付いた。
月花ちゃんの容姿説明してなくない?ラブコメなのに?
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