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ラブコメどころか小説にあるまじき重大なミスはこの際置いといて、ゆっくりと部屋を出る。
案内、とは言ってもトイレの場所ぐらいは知っている。何せ部屋出てすぐ右に三歩だからね。
逆に言うとそこまでしか知らないわけだけども。
でも廊下は長いし、僕が居座っている部屋もかなりの広さ。窓から見える庭も立派なものだったから、実は結構いい家なのかな?
などと考えを巡らせていると、月花ちゃんに手を引かれ廊下の突き当たりに着いた。
「この階段を下るとすぐに玄関だ。上ると屋根裏だが…色々しまっているから、今は倉庫扱いだな」
屋根裏まであるとは、もしかしなくても立派な家ですはい。
「向こうの突き当たりにも階段があるが、あっちは下りしかない。あとでまた上るだろうから説明はその時だ」
月花ちゃんは歩いてきた方向を指差しながらニコニコ顔で説明。自宅紹介をこんなに楽しそうにする人は初めて見る。そもそも自宅紹介されることさえ稀だが。
そのまま階段を下り、玄関へ…と、この辺で気付いた。
玄関、でかくね?
むしろ玄関と言うのもおこがましいというか…もはや門というか…
それに相応しい程に広い…なにこれ?大広間?とにかく大きな空間が広がっている。
正直に言おう。
ちょっと怖じけづいた。
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