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そして―――三日たった。
三日。
あっという間というか、時をすっ飛ばしたというか、一応まだ動けないのだけれども、なんとかまともに話せるまで回復した僕はあの少女からいろいろな事を聞く事ができた。
一つ、僕は死んでいないこと(僕は生きているのかと聞いたら凄く怪訝な顔になった)
一つ、少女が川に水を汲みに来た時、僕が傷だらけで打ち上げられていたらしく、そのまま少女の家に運ばれたこと(彼女いわく『生きていたのが奇跡』らしい)
一つ、少女の名前は“月花”といい、森の中のこの家に一人で住んでいること。
気になっていたことは全て理解したし、普通に動けるようになるまではまだ時間が必要だが、今はこれが限界だ。
体力的にも、精神的にも。
完璧に死んだと思っていただけに、疲労が尋常じゃないのだ。
頭と体は意識的に繋がっているのは本当らしく、頭で強く信じ込んでしまった事実は体が覚えてしまう。
つまり、僕の体は“死んだ”という頭の意識を今現在も信じ込んでいて、“生きている”という事実をなかなか認めてくれないらしい。
すなわち、すでに“死んだ”体では当然のこと回復力が落ちる。簡単に説明すると
脳『おい体!お前はまだ生きてる!生きてるんだよ!だから早く元気だせよ!』
体『嘘付きっ!あなたも見たでしょ…?私が死ぬところ…。もう私終わりなのよ!』
脳『違う!現実を見ろ!』
体『こんな腐った世界なんてもう見たくない!』
あれぇ?
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