Episode

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翌日 俺は携帯のアラームで目覚めた。家を出て独り暮らしを始めてからは毎日親に起こされる事なく、無性に独り暮らしをしてる実感が嬉しかった。 人並みに料理も出来るから心配はないと思ったが面倒くさがりな俺には始めは結構こたえた。 さて、学校に行こうと出たた辺りでいつも一緒に登校する遼が待ち構えていた。 「よっ、待ってたぜ」 「おお、なら行くか」 並んで歩き始めるが、俺は自分よりも背の高い遼とは並んで歩きたくはなかった。俺は一般的男子の背丈にはたとえ、あと10cm伸びてもそのラインを踏むことはないような低さだからだ。こいつと並んで歩くとすれ違う人間からは毎日中学生かとひそひそ話が聴こえる。あまり背にはコンプレックスを持たなかったが、さすがに耳障りな会話を毎日浴びせられたら萎えるというものだ。 ふと、横目で遼を見上げる。何をしたらそんなに高くなるのか。そう思った俺の視線に気付いた遼はポンと手を頭に乗せてきた。 「まぁ気にすんなよ?確かに背が高い方が良く見られるが低い奴にも良いところはあるかもだぜ?俺は残念だが低くはなれないけどな!」 「フォローになってない上に皮肉を交ぜるな」
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