Chapter1:~起動~

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「!?」 家に着いた俺はいきなり固まっていた。 黒一色のトランクケースが3つ。まるで、見えない誰かが、どれから開ける?と聞いてきそうなケース。だが何故こんなものが… はっとした俺はポケットから紙切れを取り出す。お届けしました。か、なるほど。お届けされたのはわかったが差出人の名前がない。俺の家を知ってるのは俺を知ってる奴しかない。 取り敢えずケースの中身を見てみる。漆黒に包まれたケースは意図も簡単に開き、中身を明らかにさせた。 1つ目のケースにはディスクが1枚あるだけだった。見るからにはPCゲーム用のディスクに近い物だった。こんなものがわざわざ1つのケースに入っていたのだ、いろんな意味で相当ヤバいものに違いない。 2つ目のケース。コントローラーと…メガネ? メガネと言っても普通に思い付くメガネの形状ではなかった。なんかこう…人工知能搭載人型殺戮汎用兵器がよく付けてるようなものに似ていた。もしかしたらゲームをよりリアルに体感出来るようなものかも知れない。 3つ目。ディスク、コントローラー、アイスキャン的メガネときたからにはさらにわけわからんものがあるのかと俺は恐る恐る開けた。 一冊の冊子が入っているだけだった。表紙には赤色でHow to use と書いてある。使い方…つまり説明書かと思って何気なく読んでいると、それはどうやら俺の知ってる冒険物のオンラインゲームだとわかった。しかしこのゲームは発売日の1ヶ月前から予約でいっぱい。店頭に並んだのは最初の1週間だけであとは全て通販販売のみに限定されるという異例の大人気ゲームである。ゲームタイトルは「my world」グラフィックやシステムがとにかく最高に良いらしいし自分のプレイヤーを何万通りに好きにカスタマイズできるから他のプレイヤーと被ることが少ないところなんかはかなりの魅力だ、俺もこのゲームはやりたいと思ったが毎日通販をチェックしていたがいつもsold out。売り切れだった。 既にこのゲームの差出人を突き止める目的は俺の頭になかった。今は手に入れたゲームを早くやりたくて夢中でパソコンにディスクを入れてゲームを起動していた。
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