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学校での居場所がなくなってしまった私は、とうとう、家庭でもそれが崩れて消えてしまった。
母は、怒るとすぐに手をあげる人であった。私が2歳のときに、母は父と離婚をして、女手一つで私はを育ててくれた。
離婚の原因は、父の暴力に絶え切れずに、母は私を連れて逃げたそうだ。父を酷く憎んでおり、父に似てしまった私をときに、貶した。
いつだったか、父に似ているという理由で、寝ている私の首を締められたこともある。魔がさした、とのことだった。
母はよく寂しがる女だった。
男好きな人で、相手がいれば、私よりも男を優先したし、邪魔者扱いをされたこともある。
母と私でスーパーに買い物に行ったときに、今日は男が来るのだ、とすぐに分かることがあった。
買い物かごに、酒や、普段は滅多に食べるはずのない刺身のパックが入ってたり、男のために作る料理の材料を、たくさん買うのだ。
「家に誰かくるの?」
私が問うと、母は必ず黙る。
母は嘘を問い詰められたときや、疚しい気持ちがあるとき、都合が悪くなれば、黙ってしまう癖があった。
私は、また男が家にくるのか、と嫌な気持ちに、何度も泣きたくなった。
そして、男がいる度に、私は独りぼっちになった。心の空白が、増えていくのだ。
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