ノノノマジック

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俺の通っている学校には、“魔女”がいる。 いや、正確に言うならば、“魔女”と呼ばれている女子生徒がいる、と言った方が正しいだろう。 何故なら、彼女は別に、本当の魔女というわけではないからだ。 怪しげな、いかにもといった感じのトンガリ帽子をかぶっているわけでもなし、それらしいスティックを持っているわけでもない。 かといって、ぶくぶくと泡立つ奇妙な飲み薬や、ミミズがはったような文字で書かれた、ボロボロの古書を持っているわけでもない。 飽くまでも。 ただの、あだ名のようなものなのだ。 “魔女”という、彼女特有の呼び名は。 それ以上でもなければ、それ以下でもない。 そもそも、何故彼女が“魔女”と呼ばれるようになったのか。 それが非常に気になった。 気になったことは片っ端から潰さないと気がすまない俺は、その手の情報収集に長けた“情報屋”から、情報を買うといった形式で彼女が魔女と呼ばれるようになった由来を聴くことにした次第である。
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