ノノノマジック

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彼女の名は、美桜乃々。 クラス、一年C組。 席、窓側最後尾。 髪型、ツインテールのようなもの。 スタイル、スリム。 成績、非常に優秀。 容姿、端麗。 故に彼女は、各地区から参上した中学校アイドルを差し置き、入学当初から注目をかっさらっていたらしい。 実際のところ、顔の造型美といったら、美しさを通り越して、最早人々に恐怖を与えるほどだそうだ。 それを聞いて俺は、ようやく彼女を見てみたいと思った。 「…ここまで聞けば、さして問題ない、ただの優秀な美少女さ。 君の頭にも、そんな美少女像が浮かんだんじゃないかな?」 “情報屋”は、紙パックのコーヒー牛乳をストローで一口飲み下し、苦笑いを浮かべた。 確かにそうだ。 ここまで聞いたキーワードを、プラモデルのように組み立てていくと、彼女はただの美少女。 しかし彼女は、“魔女”と呼ばれている。 愛敬を込めてじゃない、侮辱を込めて。 そう呼ばれているのだ…。
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