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「ツン…ドラ?
デレじゃないのか?ドラなのか?」
俺は、如何せんそこに疑問を抱いた。
「残念ながらも、彼女はデレじゃあない。ドラなんだ。
何故なら、彼女はデレないんだ。決定的だろ?」
ジリジリと焼かれるような日光を受けながら、何が悲しくて男二人が屋上で、このようなくだらないことを言っているのか。
自分自身、理解に苦しむ。
「どうだい、近衛小春君。
彼女が“魔女”と呼ばれるようになった理由、だいたいわかっただろ?」
近衛小春。
他でもない、俺の名前だ。
「おかげさまで」
―――美桜乃々。
漆黒。常時無言。常時無表情。猫。ツンドラ。
それらが、相互にみんなの中で混ざり合った結果。
“魔女”なる、美桜乃々が誕生したのだ。
「じゃあ、次は実際に見に行こう。見学授業さ」
「……は?」
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