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校舎の四階。
すなわち一年生の教室が連なった階である。
俺は半ば強制的に、ズルズル引っ張られるまま“情報屋”に連れられてやって来た。
確か、彼女の教室は1年C組だったか…。
「見てごらん、近衛君。
2年の僕らが堂々と1年の校舎を往来しているってのに、ひょうひょうとしたものだろ?」
「…まぁ、確かに」
言われてみれば、そうだった。
1年生は、見馴れないであろう俺たち二人を見向きもしない。
意に介さない。
それはまるで、さんざん遊びあきた玩具に対する子どもの淡白な反応のような、そんな感じだった。
「ようするに、馴れっ子になっているんだよ彼らは。
見馴れない上級生が、たびたびやって来る環境にね」
…恐るべし、美桜。
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