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風呂場の鏡に映った自分の姿を見て、また俺は発狂しかけた。
「髪が…ねぇ…。」
実際には無い訳では全くないのだが、要は、今までチャラチャラしていた長い髪がバッサリ切られていて、寝癖のせいかリクルートカットにすら見える。
これは夢だ、そう思うしかなかった。
だが、夢ではない事にすぐに気付かされた。
今まで見たような夢とは全く違う、完璧な視界。頬をつねると間違いなく痛みを感じる。
訳が…分からなかった。
『あんた学校行くのに何で私服なのよ、昨日クリーニングから取ってきたでしょう?』
「…あ、あーそうだっけ全然覚えてねぇや。」
出された服を見て俺はまた驚きを隠せなかった。
母さんがその手に持って俺に差し出したのは
高校の頃の制服だった。
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