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『おはよう!石田くんっ!』
「え、あー…狩野さん?」
『おうよー、名前覚えてくれてるなんて嬉しいねぇ!』
狩野…
狩野 詩織(かのう しおり)は、元気な女の子だ。喋り方は…男っぽいっていうか、いや何つーか頭がぶっ飛んでる感じなんだよな。
綾子や由香里と同じ、女子ソフトテニス部なんだけどさ。
『石田くんも元気そうだねぇー、うんうん!そりでは今日も頑張ろぉー!わっはっはっはー!』
「昔からそうだけど…相変わらず元気な奴だなぁ…。」
『あれ?イッシーって詩織の事知ってるの?』
「………!!!げっ、由香里!?」
「………………。」
「あっ!いや、ほら狩野みたいな女の子珍しいじゃん!?俺の中学校にも似たような奴がいたからさぁー!そうそう、そういう事だよー。あはははは…。」
あっぶねー。
バレる所だった…。
『詩織ー、今日の試合のオーダー持ってきたよー。』
『おぉー!これはすまぬなぁ斎藤殿、ありがたや、ありがたやー。』
『じゃ、イッシーまたねー。』
「お、おう。」
始業のチャイムが鳴り響く。
クラスの皆がガヤガヤしながら席に着く。
今の俺なら確実に好きになってるのは綾子より狩野の方だなー。
由香里はこの後すぐに別の高校の年上と付き合っちゃうし…。や、由香里には別に最初から興味なかったけども。
でも、ときめいてんのは綾子に対してなんだよなー…。
何だ…コレ。
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