-10月7日-

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あーついにこの日がきちまった。 頭ん中では分かってんだけど、心が訳わからんくらい高ぶってる。 外は雨が降っている。 そうだ、どしゃ降りだったんだ。この日。 雨がやむまで学校で、皆で残ってバンド名を考えようって言ってたんだ。 『んー………とりあえずっ!好きな物を皆挙げてみよう!俺はたこわさね!』 『カレー!(由香里)』 『ケーキ!(綾子)』 「…クリームパン。」 「…おい、これで決めんのはさすがに無理だろ。大体たこわさって何だよ。高一が進んでチョイスするもんじゃねーだろ。」 『うーん………!!!』 『たこクリームカレーパンケーキ!!』 「おかしいだろっ!!!」 「何で混ぜんだよ!闇鍋じゃねーかよ、しかも俺のカレーパンになってるし!」 『違うよー。クリームカレーとパンケーキだよ。』 「…………。どっちにしろ入ってねーじゃねーか!却下だ、却下!!」 俺は結局何てバンド名に決まったのか、勿論覚えてる。 そうだった、こんなくだらない感じで延々と悩んでたな。 それから、バンド名が決まった後に、理由は忘れたけど、俺と綾子だけ残るんだよな。 それから雨は更に強くなるんだ。 『ふーっ…なんかないかなぁ、イッシー先生、案はないですかぁ?』 由香里がボソッと呟く。 「あー…そうだな。こないださ、カラオケ行ったじゃん。そん時由香里が歌った曲の歌詞の中にさ、still believeって言葉あったんだよ。俺それ良いなぁ、と思って。どうかな?略せるし。」 『あー…あったかもね。still believe…ずっと信じてる…か。』 『か、かっけー!!イッシーセンスあんべなぁ!』 智が目をキラキラさせる。 「綾子はどうだ?」 『…うん、良いと思う。』 綾子のテンションが低かった。 「ようし、じゃあstill believe、略してスティビリに決定ー!」
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