1人が本棚に入れています
本棚に追加
あーついにこの日がきちまった。
頭ん中では分かってんだけど、心が訳わからんくらい高ぶってる。
外は雨が降っている。
そうだ、どしゃ降りだったんだ。この日。
雨がやむまで学校で、皆で残ってバンド名を考えようって言ってたんだ。
『んー………とりあえずっ!好きな物を皆挙げてみよう!俺はたこわさね!』
『カレー!(由香里)』
『ケーキ!(綾子)』
「…クリームパン。」
「…おい、これで決めんのはさすがに無理だろ。大体たこわさって何だよ。高一が進んでチョイスするもんじゃねーだろ。」
『うーん………!!!』
『たこクリームカレーパンケーキ!!』
「おかしいだろっ!!!」
「何で混ぜんだよ!闇鍋じゃねーかよ、しかも俺のカレーパンになってるし!」
『違うよー。クリームカレーとパンケーキだよ。』
「…………。どっちにしろ入ってねーじゃねーか!却下だ、却下!!」
俺は結局何てバンド名に決まったのか、勿論覚えてる。
そうだった、こんなくだらない感じで延々と悩んでたな。
それから、バンド名が決まった後に、理由は忘れたけど、俺と綾子だけ残るんだよな。
それから雨は更に強くなるんだ。
『ふーっ…なんかないかなぁ、イッシー先生、案はないですかぁ?』
由香里がボソッと呟く。
「あー…そうだな。こないださ、カラオケ行ったじゃん。そん時由香里が歌った曲の歌詞の中にさ、still believeって言葉あったんだよ。俺それ良いなぁ、と思って。どうかな?略せるし。」
『あー…あったかもね。still believe…ずっと信じてる…か。』
『か、かっけー!!イッシーセンスあんべなぁ!』
智が目をキラキラさせる。
「綾子はどうだ?」
『…うん、良いと思う。』
綾子のテンションが低かった。
「ようし、じゃあstill believe、略してスティビリに決定ー!」
最初のコメントを投稿しよう!