-10月7日-

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バンド名が決まると集中力が切れたのか、皆好き勝手に行動し始めた。 と、いうか智と由香里はとっとと帰ってしまった。 「あれ、由香里もう帰っちゃうの?」 『私、ちょっと用事が出来ちゃって、ゴメンね。』 「まだ雨降ってんだろー。気を付けなよ。」 『あ、俺思い出しちゃった。』 「あん?」 『ロッカーに折り畳み傘おいてあったんだー。由香里送ってくよ。』 「え、ちょっ、お前…ずりーなぁ。綾子どーすんの?」 『………うん?私はちょっと考え事があって、まだここにいるかな。』 「そっか…じゃあ智、由香里、またな。俺はちょっくら便所でも行ってくるかー。」 こうして、智と由香里は先に学校を出て俺と綾子だけが残った。 「なぁ、考え事ってどうしたの?何かあんなら相談に乗るぜ?」 『…うん、ありがとう。』 「しっかし、雨やまないなー。もう6時だぜ?そろそろ帰らないと先生にどやされるぞ。」 『じゃあ、そろそろ帰る?』 「おう、これくらいならブレザーひっかぶって走って行きゃあそんなに濡れずに済むだろ。」 『そうだね。じゃあ早く帰ろう。』 でも、この後どしゃぶりになるんだよな。本当にやばいくらいに。1分外に出てるだけでずぶ濡れになるくらいに。 「だーっ!!まじかよっ!!何で俺らが学校出た途端に土砂降りになんだよ!綾子、走れるか?」 『うん、大丈夫。早く行こう。』 土砂降りの中、走ること5分。 「あーあぁ…すっかり濡れちまったな。大丈夫か?」 『いやー、ちょっとさすがにやばいかも。』 「だよなぁ、ちょっと待ってな。そこのコンビニでタオル買ってくっから。」 『ゴメン、ありがとう。』 タオルを買って、綾子に届けた。綾子は髪や制服など、水が滴る部分を入念に拭いていた。タオルはすぐに水を吸ってびしょびしょになった。
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