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-10月8日-
昨日の夜、六年前は全然眠れなかったよな。
そりゃそうだ。告白の返事を待ってるんだもんな、ドキドキして眠れたもんじゃない。
二回目になるとさすがにゆったり眠れた。
「お、おはよう。」
朝イチで綾子と顔を合わせる。わざと緊張しているように振る舞った。
『おはよう!』
綾子は元気そうだ、俺の演技にも全く気付いている様子はない。
授業が終わって軽音楽部の練習に顔を出そうとした時、教室の外で綾子が待っていた。
ついにきたか…。
『あのね、昨日のメールの事なんだけど。』
「あぁ、その事か。いきなりゴメンな。驚いたろ?」
『うん、それでね応えなんだけど…。』
「あぁ。」
『ゴメンなさい。私イッシーとは付き合えない。』
「………。」
………え?
状況を理解するのに時間がかかった。
『それじゃ、また練習でね。』
綾子は去っていった。
未来が
変わった。
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