-愛の重さ-

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綾子と別れてから2日が経った。いや、実際には俺は別れたとは思っていない。 俺が頭を冷やして謝ればまた仲良くやれる。 そう思ってた。俺は謝る為に綾子の電話を鳴らした。 ~♪ 「おう、俺だ。ちょっと話があってな。」 どんな態度してんだよ、って今なら思うが、綾子が隣にいるのは俺にとって当たり前だったから。全く…甘えも甚だしい。 『…何?』 「いや、こないだの事を謝ろうと思ってさ。頭冷やしたら分かったよ、やっぱり俺にはお前が必要だ。俺の傍にいてくれ。」 『…言ったでしょ?もう戻らないって。』 今までになかった展開に俺は面喰らった。 「…は?あ、あぁ…悪かったと思ってるよ。ゴメンな。」 『私、好きな人出来たから。じゃあね。』 この時の気持ちをどう表現すれば良いのか、とにかく目の前は真っ白になっていた。思考というものは存在せず、そこには愛情と憎悪と空虚とが入り交じった不可解な感情しか存在していなかった。 「…ちょ、意味がわかんねぇんだけど。ふざけんのもいい加減にしろよ。」 『ふざけてない、言ったはず。もう戻らないって、好きな人が出来たのも本当。』 「馬鹿じゃねぇの?!何年も付き合ってた人と別れて、たった2日で新しく好きな人が出来るなんてありえねぇだろ!」 『本当なんだから仕方ない。もうイライラするから連絡してこないで。』 ありえない。 綾子はそんな軽い女じゃない。俺は知ってる。 だから何か理由があるんだ。間違いない。 綾子から初めて電話を切られて俺は呆然とその場に立ち尽くした。
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