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それからの俺達は時間が合えば頻繁に会い、この怪現象について話し合った。
「何なんだよ、何で俺の未来だけ変わるんだ…やっぱり俺が何かしら過去と違う行動をとってたからか?」
『その可能性は大いにあるな、俺も全く同じ行動をとれているなんて全然思わないが、少なくともそんなに間違ってはいないと思う。』
「お前の未来にもいつか変化が出てくる訳だな。」
『何で言い切るんだよ。』
「100%昔と同じ行動をとれている訳はないだろ、だったら未来が変わる可能性だって100%のはずだ。」
『あの頃は瞬平ん家に溜まってひたすら麻雀打ってたからな。勉強すればもっと良い大学に行ける、とか?』
「まぁそういう事だな。あと、問題が一つある。」
大野が何だよ、という顔でこちらを伺う。
「もし、万が一にだ。この世界に俺達がもう一人存在していたらどうなるのか。」
『ドッペルゲンガーみたいだな。ホラーの話だ。』
「あり得ない事じゃない。ドッペルゲンガーに会った人間は死が近いって噂。こういう事なのかもな。」
『この世に必要な俺は一人だけだ、勝手に生活を奪ったお前なんかいらない。殺してやる、ってか?』
「そういう可能性もあるって話だ。」
『馬鹿馬鹿しいな。』
この後、俺の予想は的中する。いや、正確に言えば半分だけだが。
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