-冗談じゃない-

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俺は綾子に幾度となく連絡をとった。 それが綾子にとって心底嫌な行動ではないとも分かっていた。 アイツは嫌いな奴からはいくら連絡が来ても無視する。俺が電話をかけると必ず出てくれていた。 『ねぇ…どうしていつまでも電話してくるの?』 「ん?そりゃあ俺がお前の事を愛してるからに決まってんじゃん。お前だって俺以外に愛せる人なんかいないって言ってたじゃないか。」 『………。』 「俺はお前がもう一度振り向くまで何度でも連絡するぜ?」 『もう…やめてくんない?』 「………。」 「どうせお前の事だからよ、毎晩泣きながら飯も食えねーでいるんだろ?俺が今まで悪かった分、泣かした分、全部俺が笑顔に変えてやるから、だから一緒にいてくれ、頼む。」 『…コクられたの。』 「…あ?」 『こないだ私が好きだって言ってた人から、コクられたの。』 「…へぇーまたそいつも残念なヤツだなぁ、俺様みてーな良い男がいんのに綾子が振り向く訳ねーっつの。なぁ?」 『………。』 「な、何黙ってんだよ。俺の言ってる事間違ってねーだろ。」 『だったら奪ってよ、私の気持ち。もう一度、優一に振り向けるように奪ってよ…。』 「………。」 『…今日はもう寝るから。おやすみ。』 綾子の気持ちが離れているのは確かだった。
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