序章

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…最後にしたキスは、ベッドの中だった……。 薄灯りのホテルの部屋…、 相変わらず、私はされるがままで、 彼の腕の中で、 恥ずかしくも、声をあげていた…。 彼はヘビースモーカーだった。 1日2箱は当たり前。 セックスする前は必ずタバコを2本吹かしてから。 セックスした後も、必ずタバコを吹かしていた。 「…苦いよ……」 ディープなキスは言うまでもなく、 “苦み”が効いていた。 「そう? …でも、まだしたい…」 不思議な“病みつき感”が、そのキスにはあった。 彼は器用に身体との調和をとりながら、 深く…深く、キスをしてくれた…。 『ゴメンね…』 それから1週間……、 その1言を末尾に送られてきたメール……。 “別れのメール”だった……。 人生で初めて“フラれた”瞬間だった……。
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