彼の本心

6/7
前へ
/533ページ
次へ
「べ、別に……一緒に居たいから泊まっただけだよ。」 「そー、俺………付き合う前に伊織に言わないといけない事があるんだ。」 「何?」 「その……経験が無いんだ。」 松倉は、俯く……… 「ごめん。知ってるよ。大丈夫だよ。」 少しの沈黙……… 「その…………抱けないんだ………」 えっ!? 「女の子に興味ないってこと!」 と、思わず………言ってしまった。 「ち、違うよ!!」 「じゃあ………」 「その……トラウマで抱けないんだ」 えっ。と思いながら…… 何となく……何かあると……… こんなにカッコいいのに付き合った事がないって、少し……おかしいと思ってたけど………… でも、正直………戸惑う……… どうしよう……なんて、言ったらいいか分からないけど……何か言わなきゃあ 「……そうなんだ。じゃあ……… 浮気される事ないね。良かった。」 そんな言葉しか出てこなかった……… 「伊織………」 「あ、ごめんなさい………でも、松倉の事、好きな気持ちは変わらないよ………」 誰にだって、過去はある……私に、だって 「伊織………ごめん。伊織に嫌われたくなかったから、言えなかった………」 松倉…… 理由を聞いていい……のかな? 「松倉…… 言いたくないなら、いいけど……… トラウマって何があったの?」 また、少しの沈黙……… ヤバイ………松倉……困ってる……… 私のバカ!何聞いてるんだよ……… 松倉は、 俯いたまま……… 「大学1年の時…… サークルの女子の先輩に………… めちゃくちゃ飲まされて……… 部屋に連れ込まれて…… ……………」 「も、もういい……言わなくていい!!」 私のバカ、バカ、バカ
/533ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1513人が本棚に入れています
本棚に追加