初めての夜

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でも、松倉に聞かないと……… 「松倉……一緒に居て…楽しい?」 「どういう意味?」と、 松倉はソファーの前に跪く……… 「松倉が、その……私が泊まったら… 悩むんじゃあないのかなー。なんて、」 松倉は、少し俯いた 「伊織… 俺の心配してくれてたんだ。 俺だって、伊織が求めてくれないとか、思ってないかな?って………… だから、昨日…打ち明けたんだ………」 そう、分かっているのに…… 思ってしまった………… 松倉は、顔を上げ、私の膝に置いた両手に軽く右手を添え…… 見つめ合う…… 「伊織……… 一度しか、言わないから…… 聞いて……… 伊織の事は、誰よりも一番好きだよ。 言葉だけじゃあ、足りないなら…… 何時でも……俺をあげる」 ドキンッ!! 松倉…… 「本当だよ。伊織がいいなら…………」 「分かった………」 「でも…………下手だけど………」 と、松倉は、顔を赤くして、照れながら目を逸らした。 それがまた、いじらしく……可愛い… 松倉の気持ちは、もう充分に伝わった。
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