はじまり

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中山さんは、喋りかけてきた。 「今、帰り?」 「はい」私は目をそらして、返事をした。 彼も帰るのだろう。 玄関先まで、後ろから着いてきた。 玄関を開けると、雨が降っていた。 私は傘をもってなかったので、そのまま玄関を出ようとした。 「待って!傘は?」 中山さんは私に言った。 私は首を横に振った。 「これ。貸すよ。」 中山さんは鞄から折り畳み傘を出してきた。 私は振り返って、断った。 私はただ関わりたくない一心で無機になって断った。
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