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いくら探しても昴はやっぱり俺しかいないわけで、いても十中十で呼ばれてるのは俺で……ツインテールは大股で俺の元へ歩いてくる。
「なにやってるのよ。ほら、早く出なさいよ」
昼飯お預けが確定的で心中涙する俺に容赦なく携帯を押しつけるツインテールは天野陽菜。
釣り上がった瞳がそのまま性格を表している。
「はぁ……もしもーし?篠神ですけど」
しゃきっとしなさい、なんて陽菜は吠えているが少しは俺の気持ちも察してほしい。
電話から中性的な乾いた声が耳に入る。
「ああ、昴。仕事だ。強盗がでた。現在ニシ区で警察と衝突してるがレベル3の魔法を使っているらしい」
「で、要請がきたんすね」
少しでも空腹を満たしたい俺の手はサンドイッチに手を伸ばすが呆気なく陽菜が取り上げられる。
仕方ない……切り替えようか。
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